特集 健康食品をめぐって
扉
pp.7
発行日 2009年1月15日
Published Date 2009/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101470
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現在,わが国では多種多様ないわゆる健康食品やサプリメントが販売されています.これらは食べるだけ,飲むだけで健康が維持,増進される効能や,あるいはがんなどの疾病が予防できる効能を持っているように感じさせており,多くの人々に購入され,摂取されているようです.しかしながら,厚生労働省が許可している保健機能食品は別として,これらの食品やサプリメントの中には,健康に対する効能についての科学的根拠が疑わしいものや,相当にいかがわしいものも含まれています.また,ごく一般的な食品までが健康になる食品として喧伝されている場合もあります.その結果,フードファディズムといった健康に対する明らかに間違った摂食行動が起こっています.さらに,健康食品への過信による健康問題,食品含有有害成分による健康問題,医薬品成分を含有している違法な食品による健康被害などが起こっています.加えて,保健機能食品やサプリメントにしても適正な使い方をしなければ,健康に良いとは言い難い面があります.
健康食品については,2006年の本誌70巻5号の特集『「食育」の時代へ』の中で取り上げました.しかし,昨今の健康食品ブームの状況をみると,保健所や市町村の健康相談などの場面で,健康食品やサプリメントについて住民から質問されることも多いのではないかと推測されます.またいわゆる健康食品やサプリメントについては,誤解されている点も多く,正確な知識が普及していないことも危惧されます.そこで今回,前回とは重複しない内容で,より詳しく,いわゆる健康食品やサプリメントについて特集しました.
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