特集 現代の貧困と健康
扉
pp.691
発行日 2008年9月15日
Published Date 2008/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101393
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経済格差が広がる中,年収200万円以下の人が1,000万人を超えたことが報道されています.これらの中には,ホームレスやネットカフェ難民と呼ばれる住居を持たない人々,ワーキングプアと呼ばれるきわめて低い所得の労働者の人々が含まれています.また,生活保護の受給者,母子・父子家庭,無年金あるいは低年金所得の高齢者等の生活に困窮している人々も存在しています.さらに,保険料が払えず国民健康保険の資格を喪失し,医療を受けられない人々が存在していることも報道されています.
昔から所得と健康には関連があることは知られており,また貧困者の健康を守ることは公衆衛生活動の原点とも言えます.現在の日本で貧困者はどのような状況に置かれ,どのような健康問題を抱えているかを知ることは,公衆衛生従事者にとって重要なことと思われます.そしてわれわれ公衆衛生従事者が生活困窮者に何ができるのかを考えてみるため,貧困と健康について特集を企画しました.
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