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シンポジウム 第17期日本学術会議環境保健学研連主催公開シンポジウム
都市医学のストラテジー・1
WHO健康都市プロジェクト
WHO Collaborating Centre for Healthy Cities and Urban Policy Research
高野 健人
1
1東京医科歯科大学医学部公衆衛生学
pp.679-684
発行日 2000年9月15日
Published Date 2000/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902372
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健康都市とは,「住民が互いに支え合い,個々人が人生や生命のあらゆる機能を発揮し,潜在能力を最大限に開発できるように,社会環境を含む生活諸環境や生活諸条件を持続的に創出し向上していく都市」として定義されている.
世界保健機関(WHO)は1986年より「健康都市プロジェクト」に取り組み,都市に生活する住民の身体的,精神的,社会的健康水準を高めるためには,健康を支える都市の諸条件を整える必要があるという認識のもとに,従来までならば保健医療部門とは無縁であったかもしれない活動領域の人々にも健康の問題に深くかかわつてもらい,都市住民の健康を確保するためのしくみを構築しようとしている.WHO健康都市プロジェクトは,現在では世界の1,000以上の都市で展開されており,健康都市ムーブメントは世界的な広がりをみせている.プロジェクトに取り組む都市では,都市政策の重要な柱のひとつに住民の健康推進を位置づけており,都市の持続的発展を実現し,次の世代により安定した質の高い近隣社会をひきつぐことができることなど,健康都市政策の利点が共通認識として確認されている.今後は個別の課題に対応したまちづくり運動の総合連携と統合化が求められる段階に至っている.
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