特集 若者を性感染症から守る
若年層を性感染症から守る健康教育
渡會 睦子
1,2
1東京医療保健大学
2PNY(ぴにぃ)(Peer Network Yamagata)
pp.473-477
発行日 2008年6月15日
Published Date 2008/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101340
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近年,日本では性行動の低年齢化とともに若年層における性感染症が増加している.一般的に感染症はマスコミの報道量が減少すると,その感染症が日本からなくなったかのように勘違いされることが多く,HIV感染症についても1986~7年頃のAIDSパニックをピークに,報道量が減少した結果,HIV感染症への意識も低下している.AIDSパニック以降に生まれた現代の青若年層は性感染症に関する意識も低く,知識も得ることなく性経験し,様々な性問題が身近な問題となっている.また,高校卒業までに40~50%が性経験すると言われ,未経験者が焦燥感に悩む場合も多い反面,精神的成熟が遅く,短絡的に物事を捉えやすい特徴もあり,現代の若年層には心理面に作用する道徳的倫理的教育や,判断力・決定力を養う性教育が求められている.
「性」は,「生きる」に「心」と書く.筆者は,性教育を「生きるための心を学ぶ教育」と表現し,進めてきた.山形県保健所保健師だった筆者のAIDS対策における経験から,性教育教材の検討に至った理由を含め,下記に述べていきたい.
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