特集 うつの時代―うつ病を改めて理解する
精神保健福祉センターのうつ病休職者・退職者への再チャレンジ支援―精神科デイケアの新たな役割と可能性
菅原 誠
1
1東京都立中部総合精神保健福祉センター保健福祉部生活訓練科
pp.374-379
発行日 2008年5月15日
Published Date 2008/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101319
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わが国の行政におけるうつ病対策は,主に自殺予防対策として進められてきた.現在,東京都では自殺総合対策東京会議を設置し,自殺防止キャンペーンや実態調査,ゲートキーパーの養成,遺族支援など総合的に取り組みつつある.
一方で,産業保健の分野では,メンタルヘルスの問題による休職者の増加への対策の必要性が強く言われ続けてきた.こうした状況の中で,30~50歳代の働き盛りの自殺の要因の1つと考えられている1),うつ病による休職者あるいは失職者の再チャレンジを支援する意義は,自殺予防対策の見地からも,産業保健の見地からも大きいと考え,東京都立中部総合精神保健福祉センター(以下,当センター)では,うつ病休職者に対する復職支援を目的とした精神科デイケア「うつ病リターンワークコース」を開設するに至った.
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