特集 アレルギー対策―花粉症・食物アレルギー・アトピー等への対応
地域におけるアトピー・アレルギー対策―保健所での母子保健・学童期の取り組みから
阿部 敦子
1
1板橋区健康生きがい部(保健所)予防対策課
pp.190-194
発行日 2008年3月15日
Published Date 2008/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101271
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住環境や食生活の変化など様々な影響を受けて,アレルギー性疾患を抱える住民の数は増加傾向にある.東京都が平成16年度に実施した「アレルギー性疾患に関する3歳児全都調査」では,回答者全体の51.5%が「これまでに何らかのアレルギー性疾患の症状があった」,36.7%が「何らかのアレルギー性疾患であると医師に診断されたことがある」となっており,平成11年の前回調査に比していずれの割合も増加している1).
このような流れを反映して,地域保健の現場でもアトピー・アレルギー性疾患に関する相談等が増加しており,疾病予防から療養の支援までの段階に対してきめ細やかな対応が求められるようになってきた.とりわけ母子保健事業の中での健診や相談事業を活用した食や環境についての保健指導,学童期を中心としたアレルギー性疾患を持つ児童生徒に対する疾病等の理解促進のための事業については,住民に身近な保健所・保健センターが積極的に推進することで,より効率的・効果的な結果が得られるものと期待される.アトピー・アレルギー対策の一事例として板橋区の事業を紹介する.
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