--------------------
あとがき
高鳥毛 敏雄
pp.964
発行日 2007年11月15日
Published Date 2007/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101198
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
1978年にアルマ・アタで行われたWHOの会議において,保健医療の潮流として途上国,先進国を問わずプライマリ・ヘルス・ケアを目指すとの宣言がなされました.これが有名な「Health for All」であります.わが国の国民健康づくり運動もこの流れを受けてはじまったものです.地域に,保健,医療と住民との活動の場として保健センターを設ける.保健センターに保健師を配置する.地域医療に関わる諸団体にも参画いただく.そこには新しい地域保健医療活動創出の夢が描かれていたように思います.
この壮大な夢の実現は,今なお完成しているとは言えません.地域の人々に対して,疾病予防,健康管理,医療,在宅ケアを地域で包括的に提供するためには,地域の中にハブ的な役割を果たす組織や機能を育てていくことが必要と考えられます.英国社会においてはこの役割を長年一般医に負わせていましたが,健康づくり,疾病予防,地域ケアなどの幅広い保健医療活動を展開していくために,「プライマリケアトラスト」という組織機構に組み替える,大きな制度改革がブレア政権下で行われました.
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.