視点
大阪から,公衆衛生の古くて新しい風を―たかが保健所,されど保健所
髙山 佳洋
1
1大阪府健康福祉部
pp.888-889
発行日 2007年11月15日
Published Date 2007/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101188
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地方分権の時代,理念の上では医療は都道府県,福祉は市町村が企画調整の主役になったと言う.しかしながら,医療制度改革,介護保険制度改革,障害者自立支援法による障害保健福祉施策の改革という嵐の中で,地域の公衆衛生の現場は行革による統廃合や人員削減,厳しい財政状況の中にあって戸惑いながらも,新しい活路を見出すべく苦悶している.この大きな試練の下で,都道府県と市町村の地域保健行政は実力が試されている.地域保健法で枠組みが見直された保健所と市町村のあり方や形の良し悪しが真正面から問われている.激動の時代でフットワークの良い動きが求められているのだが,予算や人員の制約が大きく手詰まり感も強い中で,「保健所に期待する」と言えば,保健所経験者故の思い込みと大方の顰蹙(ひんしゅく)を買うであろうか? “たかが保健所”であるが,過去から現在へと大阪の公衆衛生における経緯をたどり,さらにこの先に向かって見えてくるもの,模索するべきものから,“されど保健所”と,改めて考えてみたい.
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