特集 感染症の危機管理―関連法規改正後の新たな展開
国際貿易の自由化と感染症の危機管理―新しい国際保健規則IHRの意義を求めて
松延 洋平
pp.824-830
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101163
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はじめに:国際貿易と国際保健・公衆衛生にかかわる課題の背景―公衆衛生・食安全にかかわる展開と課題
世界保健機関(WHO)が2005年5月の年次総会で採択した改正国際保健規則が,この2007年6月15日に発効した.画期的な内容の法制度のもとに国際保健へ取り組む体制として大きな変革を求めるこの規則は,世界の公衆衛生を抜本的に転換するものである.のみならず,国際貿易のあり方に決定的な影響をもたらす可能性を持つものである.国際保健・公衆衛生と国際貿易とは,その緊張関係は最近のSARSなどの新興感染症の発生以来特に高まってきたが,それがここに新たな段階に入った.
「国際貿易が盛んになれば,国も人も富み,そして豊かになった国力の元で国民の環境,栄養状況等が改善され,公衆衛生や食品安全も自ら向上してくる」
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