特集 スポーツと公衆衛生―地域の関係性の構築
地域社会とスポーツクラブ
1.ドイツにおける地域とスポーツクラブ
福岡 孝純
1,2
1帝京大学
2日本スポーツ文化研究所
pp.650-653
発行日 2007年8月15日
Published Date 2007/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101121
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「人間は遊戯しているときだけ真の人間である」―フリードリッヒ・シラー―
ドイツにおけるスポーツクラブは,現代の技術消費文明社会の中で地域が共同体としての連帯性を育み,また強めるために不可欠のものとなっている.しかし,ここへ至るにはスポーツクラブの赤い糸が,19世紀から脈々と引き継がれていることを知らねばならない.
現代社会におけるスポーツという言葉からまずイメージされることは,プロ選手の活動をテレビなどで観戦するメディアスポーツであろう.衛星中継によってスポーツ,特にオリンピックやワールドカップは,グローバルな意識を世界の人々にもたせることに貢献している.わが国ではスポーツというと専らこれらをイメージする人が多い.しかし,ヨーロッパ,特にドイツにおけるスポーツ活動というと,それとは大きく異なる潮流がある.それは,メディアスポーツが主として観るスポーツであるのに対して,参加するスポーツ,すなわちドゥ・スポーツとしてのスポーツ・フォア・オール・ムーヴメントである.
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