連載 厚生行政ホントの話・12【最終回】
福祉用具について
椎葉 茂樹
1
1厚生労働省老健局老人保健課
pp.983
発行日 2003年12月1日
Published Date 2003/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101000
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公衆衛生の世界ではあまりなじみがないかもしれないが,高齢者の介護における福祉用具についてご紹介したい.
福祉用具は,法的には「心身の機能が低下し日常生活を営むに支障のある老人又は心身障害者の日常生活の便宜を図るための用具及びこれらの者の機能訓練のための用具ならびに補装具をいう(福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律,1993年)」と定義されている.
介護保険で給付される福祉用具の範囲については,①要介護者の自立の促進又は介助者の負担の軽減を図るもの,②要介護者でない者も使用する一般の生活用品でないもの,③治療ではなく日常生活で使用するもの,④在宅で使用するもの,⑤起居や移動など基本動作の支援を目的とするものであり,身体の欠損や特定の機能を補完するものでない,⑥ある程度の経済的負担がある,⑦取り付けに住宅改修工事を伴わない,といった考え方が示されている.
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