特集 予防接種
わが国の予防接種制度についての概説と最近の動向
平山 宗宏
1,2
1高崎健康福祉大学
2母子愛育会・日本子ども家庭総合研究所
pp.257-260
発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100273
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予防接種に関する法律の歴史と経緯
予防接種そのものの歴史は,病原体発見に先立つ1798年,E. Jennerの牛痘法発見に始まるが,これがわが国の長崎に伝わったのは1849年で,オランダ医のもとで西洋医学を学んだ先覚者たちによって,国内各地に伝えられた.江戸でお玉が池に伊東玄朴による幕府の種痘所ができたのが1858年であった.
明治の開国後,文部省が設置されたのが1871(明治4)年,教育令に学校伝染病の規定が設けられたのが1879年,1880年の内務省告示伝染病予防心得書の付録として種痘施術心得書が出されたのが1885年であった.1897(明治30)年には伝染病予防法が定められ,これは平成10年まで使われてきた.種痘の心得書は,1909年に改正されたが,こちらは戦後の予防接種法制定まで継続されていた.
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