特別寄稿
ベトナム・台湾のSARS対策に学ぶ―(保健所編)
小竹 桃子
1
1東京都健康医療サービス部感染症対策課
pp.220-223
発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100548
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SARSの再発をじっと待つ今のわれわれは,まるでスタートラインに立つマラソンランナーのようだ.ゴール地点は全く見えない.いったいどんなことが待ち受けているのか,途中でどんな障害物があるのかわからない.それでも,誰かが,どこからか「スタート!」の合図を出せば,いやおうなしに走り出さなければならない.SARSの再流行と同時に,われわれはその制圧に乗り出す.
しかし,情報は与えられている.先に走り出した台湾やベトナムなどよりは有利なはずだ.病原体も確認された.性状もかなり把握されてきた.「こうすれば感染が防げる」ということは,理論上はわかっている.そしてわれわれには,準備する期間も与えられた.
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