特別寄稿
医療計画の評価
河原 和夫
1
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科環境社会医歯学専攻医療政策学講座
pp.886-888
発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100504
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昭和23年に制定された医療法は戦争により破壊された医療施設の復興を見据えたものであった.いわば量的な医療供給体制の整備が盛り込まれたものであった.しかし,戦後の急速な医学・医療の進歩や高度経済成長とともに,医療機関の量的な整備はほぼ完了した.残された課題は,医療施設や医療従事者の地域偏在の是正,ならびに医療の質の向上であった.
当時,医療の質の問題はほとんど議論されず,注目を集めたのは地域偏在の是正のために諸外国でも採用されていた行政計画的な手法を用いることの是非であった.昭和47年の医療基本法案の中に初めて公に医療計画制度が文言として出てきた.この法案は廃案となり,医療計画制度が認められたのは,昭和60年の第一次医療法改正によってである.これにより医療計画の策定義務が都道府県知事に課せられた.その後,平成4年(第二次改正),平成9年(第三次改正),平成12年(第四次改正)に医療法が改正され,修正を加えられながら現在に至っている.
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