特別記事
[対談]融合する公衆衛生
中村 好一
1
,
山縣然 太朗
2
1自治医科大学公衆衛生学
2山梨大学大学院医学工学系総合研究部社会医学講座
pp.880-885
発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100503
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公衆衛生の限界性
中村 今,公衆衛生のおかれている状況を見てみると,たとえば衛生学・公衆衛生学教育協議会は,原則として医学部だけに限っている現状があります.もともと公衆衛生は歴史的には医学の下にあったと思いますが,近年,看護学部が充実してきたり,他のコメディカルスタッフ養成も大学で行うようになってきました.医療従事者にとって公衆衛生は避けて通れない分野だし,看護の立場から,PT,OTの立場からの公衆衛生というものも当然あると思うのです.しかし,教育協議会は医学部だけに限ってしまっているようで…….
山縣 今,アメリカのSchool of Public Healthが学部として並列してきているように,日本でもそれに特化した保健学部のようなところもできてくると,教育の面でも,公衆衛生だけではもう収まりがつかなくなっているのが実情です.にもかかわらず,公衆衛生の中心というのは,いまだ医学が担っている.そこはやはり問題かもしれないですね.
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