特集 「健康格差社会」とセーフティネット
ドイツにおける一般対策の及びにくい人々に対する保健所活動
高鳥毛 敏雄
1
,
新山 陽子
2
1大阪大学大学院医学系研究科社会環境医学講座公衆衛生学
2京都大学大学院農学研究科生物資源経済学専攻
pp.106-109
発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100236
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わが国の保健所は,かつては国民に対する,母子保健,結核予防,環境衛生などの公衆衛生活動の拠点であった.しかし近年,地方自治組織の発展とともに,地方自治体の組織の色彩が強くなってきている.このため不特定多数に対する公衆衛生活動の展開が難しくなってきているように思われる.
わが国の大都市は,これまで国内の地方からの人口を吸収して大きくなってきた.今後も,欧米の都市のように外国人移民が多くなるとは思いにくいが,大都市には流動性の高い人々が多く,これに対応した公衆衛生活動の必要性が高まっていくものと思われる.
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