特別記事
インターネット調査の実際と課題
猫田 泰敏
1
1首都大学東京健康福祉学部看護学科
pp.153-163
発行日 2005年4月1日
Published Date 2005/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100053
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はじめに
近年のIT(Information Technology)の驚異的な進歩はユビキタス社会の創出を現実のものとし,我々の生活にさまざまな影響を及ぼしている。看護分野においても,インターネットを通じて多様な関連情報が発信されており註1),いまや情報の検索・発信には欠かせない基盤技術となっている。
本稿が焦点を当てるインターネット調査(Internet Survey,Internet Research)は,インターネット技術が可能にした新しい調査法として,すでに世論調査,マーケティング調査等の領域で広く活用されているものであり,ふだん見聞きする情報においてはこの方法で得られたものも多いと推測される。検索サイトのGoogleで“インターネット調査”をキーワードとして日本語のWebページを検索したところ,約2万1600件がリストアップされた(2005年1月末)。看護領域における論文も発表され(豊増・中山,2004),今後,看護研究においても急速に普及するものと予想される。
そこで本稿は,インターネット調査をめぐる現状と課題,今後の展望等について文献をもとに整理し,量的看護研究における本調査の妥当な利用のあり方について議論をするための素材を提供したい(ここでは質的看護研究での活用は考慮していないことをお断りしておく)。
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