連載 公衆衛生ドキュメント―「生きる」とは何か・18
三井三池炭鉱における一酸化中毒患者の悲劇
桑原 史成
pp.694
発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100150
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三井三池鉱山の三池炭鉱(大牟田市)で悲劇が起きたのは,1963(昭和38)年11月9日であった.坑内の炭塵爆発によって458名が死亡し,一酸化炭素による一酸化中毒患者が800名以上も出た.私ごとだが,取材で現地を訪れていて,奇しくも米国大統領ジョン・F・ケネディの暗殺事件(11月23日)をニュースで知った.
一酸化中毒による重症患者は,隣県の熊本大学の附属病院に移送された.熊本大学医学部では水俣病の発生以来,中枢神系疾患による病状の研究が進められていて,長期間にわたって患者への治療が続けられた.
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