特集 こころの健康問題への挑戦
疫学的に見た「こころの健康問題」
竹島 正
1
,
長沼 洋一
1
,
立森 久照
1
,
川上 憲人
2
1国立精神・神経センター精神保健研究所精神保健計画部
2岡山大学大学院医歯学総合研究科衛生学・予防医学分野
pp.352-357
発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100078
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現在,わが国では厚生労働科学研究費補助金による研究事業として「こころの健康に関する疫学調査」が進められている.これはWHO(世界保健機関)の提示した精神・行動障害に関する国際的な疫学研究プロジェクトであるWMH(世界精神保健:World Mental Health)に参加し,精神障害の生涯罹患率,時点有病率,社会生活の影響等を,国民の代表とみなせるサンプルについて調査するもので,こころの健康に関する最新の本格的疫学的研究である.
WMHは,WHOプロジェクトの定める方法論に則り,WMH調査票[WHO統合国際診断面接(composite international diagnostic interview: CIDI)をもとに危険因子等のセクションを追加したもの]を用いた訪問面接によって,こころの健康に関する疫学,つまり感情障害など国民の健康に直結する障害の現時点での有病率,生涯にわたる罹患率,社会生活への影響について,調査することを目的とするものである.
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