アニュアルレポート
産業衛生学のトピックス
城 憲秀
1
,
井谷 徹
1,2
1名古屋市立大学大学院医学研究科労働・生活・環境保健学分野
2第77回日本産業衛生学会
pp.220-222
発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100048
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政府筋の報告によれば,これまで10年以上にわたって不況という長いトンネルの中を走ってきた日本経済が,まだ不安定とはいうものの,ようやく回復の兆しが見えてきたという.しかし実際のところ,多くの人々にとって,景気回復の実感はまだ湧かない状況にあると思われる.
このような経済状況下で,企業は生き残りをかけて,管理部門も含めたリストラを進め,仕事の効率化や生産性の拡大をはかってきた.一方で,こういった経済構造の改革,企業のリストラクチャリングは,労働者の雇用形態や働き方,作業内容を多種多様にし,従来のような一律の対応では,働く人々の健康を保持増進することが難しくなっている.これに対しては,第10次労働災害防止計画でも記述されている「リスク」という考え方によるリスクマネジメント手法で,職場ごとに対処する必要性が叫ばれている.
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