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編集後記
藤田 郁代
pp.205
発行日 2025年6月15日
Published Date 2025/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134958280220020205
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若葉の緑が日増しに濃くなる季節となり,今春,言語聴覚士として新しく入職した方は職場環境になじんでくると同時に,言語聴覚療法の奥深さや難しさをじわじわと感じているのではないでしょうか.臨床経験の長い言語聴覚士にとっても,日々の臨床は答えが見つからない問題への挑戦の連続です.臨床上の問題に対する答えを得る方法のひとつは文献を読むことですが,重要なのは研究を通して自分が未解決な問題への答えを探求することです.今号には,このような問題に取り組んだ各種の研究成果が報告されています.
原著論文として,バリウムとろみ水の粘度計測法,言語流暢性課題時の脳活動と加齢の関係,漢字形態知識課題を検討した研究が報告されています.症例報告では,apathyに対する認知リハビリテーション,外国語話者に対する失語症の評価・訓練の問題,短報ではスマートフォンのテキスト入力障害の問題が取り上げられています.また調査報告では吃音のある人の言語聴覚士養成教育・就労の実態が報告されています.

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