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はじめに
2040(令和22)年に向けて、さらなる人口構造や社会環境の変化を迎える中で、引き続き地域において保健師が保健活動を展開していくためには、保健師の人材育成や、施策の優先順位、重点化を意識し、効率的・効果的に保健活動を進めていくことはもちろん、基盤となる保健師の確保は非常に重要です。
保健師活動領域調査(領域調査)によると、常勤保健師採用者数は、特に保健所を有する都道府県、保健所設置市においては2022(令和4)年度までは高い水準を示していましたが、2023(令和5)年度以降、新型コロナウイルス禍前の水準に戻りつつあります。
同調査において、市区町村の常勤保健師数の推移を見ると、新型コロナウイルス禍以降、保健所設置市・特別区の増加率が大きく、それ以外の市町村は増加しているものの、その増加率は小さい状況です。また、2022年度に実施した調査1)によると、必要な保健師数が満たされていない自治体の約半数は人口1万人未満の小規模自治体であり、2022年度においては、募集を行っても約4割の市町村が募集者数を充足できませんでした。
もちろん、人材確保の課題は保健師だけではありません。生産年齢人口の減少、働き手側の価値観の多様化、デジタル社会の進展等により地方公共団体を取り巻く状況が大きく変化する中で、2023年12月に総務省が「人材育成・確保基本方針策定指針」を策定しました。この指針は、各地方公共団体が「人材育成」のみならず、「人材確保」や「職場環境の整備」を戦略的に進めるための新たな指針であり、そこには、「市区町村の人材育成・確保に係る都道府県の役割強化を含む広域的な連携体制の構築」についても言及されています。
したがって、保健師を含めた人材確保について、都道府県は、市区町村を支援する役割も期待されているところです。
そこで本稿では、厚生労働省で実施している保健師確保のための各種施策について、広域自治体である都道府県に期待することにも触れながら紹介させていただきます。

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