巻頭言
リハビリテーション医療に係る厚生労働省の施策
木下 翔司
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1東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学講座
pp.909
発行日 2023年9月10日
Published Date 2023/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202912
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臨床の現場で働く際にはリハビリテーション医療についてのさまざまな制度(ルール)について疑問をもつことがあると思います.私は2020年4月から厚生労働省に人事交流の医系技官として勤務する機会を得て,どのようなプロセスで制度が決まっていくかという過程を少し知ることができましたので,本稿で少しご紹介したいと思います.
私自身は老健局老人保健課において高齢者リハビリテーション推進官として介護保険の訪問・通所リハビリテーション,また地域リハビリテーション支援体制について担当をしました.老健局は制度と報酬を両方扱っておりますので,介護報酬改定を担当するとともに,介護保険制度のリハビリテーションサービスについて市町村・都道府県による介護保険事業(支援)計画に目標と取り組みを求める制度改正にもかかわりました.しかし,リハビリテーション医療については霞が関の中でも部署が多岐にわたります.例えば厚生労働省においては以下の部署がリハビリテーション医療に関係します.
・医政局医事課:医師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の資格制度
・健康局がん・疾病対策課:がん・循環器病に対するリハビリテーション
・障害保健福祉部障害福祉課:障害者施策,補装具費支給制度
・老健局高齢者支援課:福祉用具貸与
・老健局老人保健課:介護保険制度の訪問・通所リハビリテーション,地域リハビリテーション
・保健局医療課:診療報酬
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