連載 発育性股関節形成不全(乳児股関節脱臼)の予防への挑戦・1【新連載】
なぜ改めて発育性股関節形成不全(臼蓋形成不全・亜脱臼・脱臼)の予防に取り組む必要があるのか?—連載のはじめに
吉岡 京子
1
1東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻地域看護学・公衆衛生看護学分野
pp.404-408
発行日 2025年10月10日
Published Date 2025/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134883330810050404
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歩くことは人間の基本的な動作で、股関節は一生使います。股関節はボールと受け皿の構造に例えられます。そして、①ボールが受け皿から外れている(脱臼・亜脱臼)状態と、②受け皿の形が十分に発達していない状態(臼蓋形成不全)を総称して発育性股関節形成不全(Developmental Dysplasia of the Hip:DDH)と呼びます1)。いわゆる「乳児股関節脱臼」にあたる完全脱臼の頻度は1000人に1人ですが2)、臼蓋形成不全を含めると約100人に1人と推定されており、予防とスクリーニングが重要となります3)。

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