Japanese
English
論述
先天性股関節脱臼の保存的治療後の臼蓋形成不全症の病因に関する検討—臼蓋唇の変化の意義について
The pathogenesis of acetabular dysplasia after closed reduction in congenital dislocation of the hip
細谷 徹
1
,
高岡 邦夫
1
,
吉岡 順朗
1
,
井上 明生
1
,
小野 啓郎
1
,
高瀬 忠
2
Tohru HOSOYA
1
1大阪大学医学部整形外科学教室
2星ケ丘厚生年金病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Osaka University Medical School
pp.738-747
発行日 1979年8月25日
Published Date 1979/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905963
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先天性股関節脱臼(以下,先天股脱と略す.)は保存的治療後も,なお臼蓋形成不全を遺残することがあり,治療の完全を期する意味からはその防止こそが先天股脱治療の究極の目的といえよう.一方,臼蓋形成不全症によると思われる二次性股関節症の症例は,今なお多数見られるが,その多くに先天股脱の既往がある.整復された脱臼がどうして臼蓋形成不全症に移行するのか,また臼蓋形成不全症が如何なる機序で関節症を招くのかは,しかしなお推察の域を出ないといつても過言ではない.乳幼児期に存在した先天股脱の病態と成長後の臼蓋形成不全症との因果関係を知ることの重要さがここに明らかとなる.
乳幼児期における保存的治療後,臼蓋の成長過程は症例によつて一定しない.大部分の症例では,脱臼の整復後,臼蓋形成不全は急速に改善し正常な股関節に成長する.
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