研究
養育里親が受けた養育支援における支援とその結果に関するスコーピングレビュー—離島留学の島親サポート体制の課題解決への示唆
平田 真子
1,3
,
櫻井 純子
2,3
1活水女子大学看護学部看護学科
2湘南鎌倉医療大学看護学部看護学科
3NPO法人へき地保健師協会
pp.395-402
発行日 2025年10月10日
Published Date 2025/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134883330810050395
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要旨
離島地域の少子高齢化の対処法の一つとして、「離島留学」を取り入れる自治体は増加傾向にある。一方で、受け入れ側の親や寮スタッフ(島親)には個々の留学生に合った適切な受け入れ環境整備が課題である。本研究では、成長途中から養育する点で共通する「里親制度」の中の「養育里親」に着目してスコーピングレビューを行い、里親への支援とその結果と課題について整理し、島親サポート体制における保健師の役割と意義について示唆を得ることを目的とした。結果は、島親サポート体制における保健師の役割は、「身近な相談先としての専門的支援」「島内外の専門職や専門機関との仲介的役割」「地域ネットワークを生かした島親への情緒的支援」であると考えられた。離島留学生を地域全体で見守る環境が求められている中で、保健師が持つ幅広いネットワークや専門性は重要な機能を果たすと考えられ、保健師が島親サポート体制の一員として離島留学制度に関わる意義は大きい。

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