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Ⅰ.緒 言
臨地実習における臨地実習指導者(以下、実習指導者)の役割は、学生の主体性を尊重し、対象者と学生との関係性を支え、学生が作成した看護計画に対して、対象者の状態に関するアセスメントを説明し、適切な看護ケアの技術を示すことであり、プロフェッショナルの姿勢を示す等、看護の実践者としての役割モデルとなることが期待されている(文部科学省,2020)。臨地実習において学生が行う看護ケアに責任を持ち、学生が自らの思考で看護実践が行えるように、直接指導にあたる実習指導者の存在は重要といえる。そのため、実習指導者には看護実践能力だけでなく、実習で得た貴重な経験を教材化する教育実践能力が必要であると述べている(荒川 他,2021)。
現在、実習指導者は保健師助産師看護師臨地実習指導者講習会(以下、臨地実習指導者講習会)で教育実践能力を修得している。臨地実習指導者講習会は、講義1単位15時間、演習1単位30時間、実習1単位45時間を基本とし、原則として10単位(180時間)以上とされている。教育実践能力の基盤として、基礎分野では、教育の本質や教育方法、教育評価及び人間の発達と学習過程における心理的な特徴についての基礎知識や必要な理論を学ぶことを目標としている。また、専門分野では、人間の健康や看護の考え方を多角的に学び、看護についての視野を広げ自己の看護観を明確にすること、看護師等養成所の各教育課程の概要を学び実習指導につなげること、実習指導案について理解し教授方法や実習指導の展開を学ぶことを目標としている。一方、近藤ら(2015)は、全ての指導者が公的な機関で臨地実習指導者講習会を受講しているわけではないと報告している。病院内独自の研修によって養成されている現状が伺え、実習指導が困難になっていると推測する。また、志田ら(2011)は、臨地実習指導者講習会や指導者研修を受けてもそれだけでは実際の場面で適切な対応ができるとは限らない。様々な場面を経験し、省察することを通して困難を乗り超えていくことが可能となることを指摘している。これらのことから、実習指導の経験を振り返り、継続的に実習指導を評価することが重要であり、評価により指導能力が向上していくと考える。
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