連載 偶然、でくわす精神療法—「いつものケア」からこぼれる小さなセラピー・4
—コレクティフってそういうことやったんか!—精神療法にでくわしやすい「治療的クラブ」とその雰囲気
橋本 和樹
1
1京都博愛会病院
pp.340-346
発行日 2025年7月15日
Published Date 2025/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134327610280040340
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ラ・ボルド病院で発展した「制度による精神療法」について、フランスで体験してきた私が解説していく本連載。前回、「制度」とは何か、施設としての病院とはどう違うのかをやや詳しく説明した。制度とは要するに「人が定期的に集まることによって生じるものごと」である。今一番近い日本語ではないかと考えているのが「屯ろ」だ1。
病院(施設)には、たくさんの制度が生じている2。その制度を最大限に利用して、そこにいる人、つまり利用者やスタッフが自由に歩き回るなかで精神療法に偶然でくわすようそこを土壌として耕しておく、それが「制度による精神療法(以下、P. I.)」である。

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