特別記事
ACT-K設立20周年フォーラム「ケアする仕事の未来 人がやさしくなる職場や地域のつくり方」報告記事
舘澤 謙蔵
1
1たかぎクリニック
pp.242-245
発行日 2025年5月15日
Published Date 2025/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134327610280030242
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参加者の多様さ
本フォーラム(3月9日、京都市勧業館みやこめっせ・特別展示場)の参加者の属性は多様で、精神看護・医学・精神保健福祉の実践者、それらを学ぶ学生と教える教員、障害福祉サービス利用者、精神障害当事者・家族、病院関係者、行政の人などさまざまだった。会場は、参加人数に比して手狭・横長であったため、参加者同士だけでなく、登壇者と参加者の距離も近く、異様な熱気に包まれていた。本フォーラムが、300人以上の多様な参加者を巻き込むダイアローグの場と化したのは、「ケアする仕事の未来」というテーマ設定が時宜にかなっていたという理由だけではない。それは、フォーラム全体を通して、すべての参加者が「話す」と「聞く」を反復できるよう、プログラムに工夫が凝らされ、登壇者が言いっぱなしになることも、参加者が聞きっぱなしになることもなかったからだろう。
全体を振り返ると、本フォーラムで中心的に語られた概念は「ケア」「組織」「能力主義」「対話」「やさしさ」であった。第1部のキーノートスピーチ、第2部のクロストーク、第3部の会場全体ダイアローグと進むにつれ、これらの概念は有機的につながっていった。

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