徹底分析シリーズ 添付文書:わかったつもりから本当の理解へ
知っておきたい薬物相互作用データ—“いつもの薬”の組み合わせを見直そう
小原 伸樹
1
Shinju OBARA
1
1福島県立医科大学附属病院 手術部
pp.499-503
発行日 2025年5月1日
Published Date 2025/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134088360320050499
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麻酔科医がある薬物を投与しようとするとき,患者はすでに複数の投薬を受けていることが多い。この際に薬物相互作用の可能性を認識し,一般的には添付文書を参照する必要がある。添付文書には「10. 相互作用」として,まず代謝経路や,関連する酵素の名称が記載されている。そして「10.1 併用禁忌(併用しないこと)」または「10.2 併用注意(併用に注意すること)」として,薬物名が列挙されている。それぞれに対し,臨床症状・措置方法として,多くはその薬物または併用薬の効果増強・減弱あるいは副作用が記載されている。加えて「機序・危険因子」が記載されている。いわゆる定性的な事柄はここで確認できるが,臨床的にどれだけの影響が考えられるかの定量的な内容までは十分に記載されていない。「23. 主要文献」の項があるものの,相互作用おのおのについての文献までは引用されていないことが多いため,必要に応じて自身で確認する必要がある。
本稿では,解釈のために必要な考え方と,実例を紹介する。

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