特集 倫理的に健全な組織をつくる モラル・ディストレス/モラル・レジリエンスと看護管理
扉
pp.834-835
発行日 2026年9月10日
Published Date 2026/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091713550360090834
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複雑化する医療環境,慢性的な人材不足,多職種協働の難しさの中で,看護職は日々,「本来大切にしたい看護」と「実際にできる看護」との間で葛藤しています。「最善と思うケア」が,組織の方針や資源の制約,人員不足,制度上の限界などによって実践できないとき,看護職には道徳的苦悩,すなわちモラル・ディストレスが生じます。
その苦悩が放置されれば,チームの沈黙,バーン・アウトや離職を招くとともに,ケアの質や患者安全にも影響を及ぼしかねません。一方,看護管理者もまた,スタッフを支える立場であると同時に,経営と現場のはざまで葛藤を抱える当事者でもあります。
本特集では,この領域研究の世界的第一人者である米国のシンダ・H・ラシュトン氏の知見を手がかりに,モラル・ディストレスを個人の我慢や傷つきにとどめず,倫理的な実践を支える力—モラル・レジリエンスへとつなげる視点を探ります。対話できる組織文化,倫理的葛藤を言語化する場,チームで判断を振り返る仕組みをどのように育てるか。スタッフが大切にしたい看護を組織として守り,専門職としてのインテグリティを保ちながら働き続けられる職場づくりを展望します。
(編集室註)本特集では,英語用語の訳語について各著者の表現を尊重し,必ずしも統一していません。

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