特別記事
—オンラインイベント講演録【前編】—意思決定支援,緩和ケアを本質的にするNYスピリチュアルケア実践からのヒント
岡田 圭
1,2,3
,
佐々木 淳
4
,
宇都宮 宏子
5
1元ニューヨーク訪問看護サービス・ホスピス緩和ケア
2臨床スピリチュアルケア協会
3International Association for Spiritual Care(IASC)
4医療法人社団悠翔会
5在宅ケア移行支援研究所 宇都宮宏子オフィス
pp.152-158
発行日 2026年2月10日
Published Date 2026/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091713550360020152
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
今号と4月号の2回にわたって,2025年9月2日に開催されたオンラインイベントのダイジェストをご紹介します。
本イベントは,『いのちに驚く対話—死に直面する人と,私たちは何を語り合えるのか』の出版を記念して開催されました。本書の著者は, ニューヨーク訪問看護サービス(Visiting Nurse Service of New York)のホスピス緩和ケアで,長年スピリチュアルケア・カウンセラーを務めてきた岡田圭さんです。
イベントでは,以前から岡田さんと交流のあった佐々木淳さん,宇都宮宏子さんと共に,書籍の中で印象的だった記述を手がかりに,日本の医療現場における対話支援へと発想を広げる議論が展開されました。
2024年の診療報酬改定において意思決定支援(ACP)実施に関する指針の整備が全病棟(小児を除く)で求められるようになりました。ACPは単なる治療選択の確認ではなく,「人生の最終段階において,どのような医療を受けたいか,あるいは受けたくないか」—つまり患者自身の価値観を,実際に受ける医療に反映させていく営みです*。すなわち,人の生き方に一歩踏み込みながら伴走する,対話的な支援だと言えます。一方で,実践する看護師へのトレーニングや支援,そして対話を支える環境が十分でなければ,本来の目的が果たされないばかりか,担い手にとって心理的負担の大きいものにもなりかねません。
ACPは,スピリチュアルケアとなり得るのか—本記事では,「対話的支援」の意義を捉え直し,その実践のためのヒントを共に考えます。(本誌編集室)

Copyright © 2026, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.

