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Key Questions
Q1:作業療法にルックスケアを取り入れる際の課題は何か?
Q2:ルックスケアの作業遂行分析とは何か?
Q3:作業療法におけるルックスケアの評価の進め方は何か?
作業療法とルックスケア
世界作業療法士連盟(World Federation of Occupational Therapists:WFOT)が2025年に改訂した作業療法の定義では,「作業療法は,人々の健康と幸福を促進するために,人々ができるようになりたいこと,できる必要があること,できることが期待されている意味がある作業への参加を支援する」と示されている.現在,わが国では領域を問わず,対象者が意味のある作業に参加できるよう支援が行われており,生活行為向上マネジメント(Management Tool for Daily Life Performance:MTDLP)をはじめ,さまざまな理論が活用されている.
作業の可能化に焦点を当てた理論は,情報収集の内容や順序に違いはあるものの,おおむね「問題となる作業の特定」,「背景情報の収集」,「ターゲットとなった作業の観察」,「作業の可能化に焦点を当てた支援計画の立案・実施」から構成されている.この一連のプロセスの要は,「問題となる作業の特定」にある.ここではADOC(Aid for Decision-making in Occupation Choice)やCOPM(Canadian Occupational Performance Measure)等が用いられるが,ルックスケア(外見や身だしなみに関する作業)が問題として挙がる機会は多くないように感じられる.この段階で特定される作業の問題は,「買い物に行きたい」,「着替えができるようになりたい」「食事に出かけたい」「スポーツを楽しみたい」「自動車を運転したい」等,生活に必要と感じられるものが多い.既存の理論の多くは,これらの作業の可能化に向けて支援を展開していくが,その過程で問題となる作業に付随または関連する作業にも取り組むことがある.ルックスケアは,この「付随・関連する作業」に位置づけられることが多く,そのために支援の主対象とならない,あるいは気づかれないまま経過することが少なくない.また,対象者も作業療法士もその重要性に気づいてはいても,時間や空間,道具や材料等,物理的環境の制約から,実施に至らない場合もある.しかしながら,身だしなみは社会で生活するうえでの基本であり,作業療法士自身もその重要性を日常的に感じているはずである.

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