ふぉーらむ
「『Willard & Spackmanの作業療法』を読む会」の紹介
吉川 ひろみ
1
1県立広島大学
pp.694-696
発行日 2025年7月15日
Published Date 2025/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091513540590070694
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2024年の本誌1月号で,Willard & Spackman's Occupational Therapy(以下,W & S)について紹介した1).この本は,1947年に作業療法士が執筆した初めての作業療法の包括的教科書で,改版され続け,2023年7月に第14版2)が出版された.書名にもなっているHellen WillardとClare Spackmanは,1952年の設立時の世界作業療法士連盟の初代会長と事務局長であり,第4版(1971年)まで編集した.筆者が学生のときは第4版の日本語訳を使った.1992年に留学した米国の大学院では第8版(1993年)を使い,大学教員になってから第9版(1998年)の内容を見ながら授業を行っている.
第13版(2018年)から編集をしているGlen Gillenによると,第4版では,作業療法が本来の道を踏み外し生物医学化に傾倒したのだそうだ3).第9版から作業科学が最初のユニットに加わった.第12版(2014年)以降,第14版(2023年)までの第1章は「作業とは何か」となった4).作業科学は,誕生時には学問としての発展を目指し,大学院生や研究者の研究分野としての性格が強かったが,現在は医学や心理学等と並ぶ作業療法の基礎学問として位置づけられている5).

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