Close-up 褥瘡と理学療法—予防から管理・治療への展開
褥瘡管理における理学療法学と看護理工学の融合
幅 大二郎
1
,
仲上 豪二朗
2,3
Daijiro HABA
1
,
Gojiro NAKAGAMI
2,3
1石川県立看護大学大学院看護学研究科共同研究講座ウェルビーイング看護学
2東京大学大学院医学系研究科老年看護学/創傷看護学分野
3東京大学大学院医学系研究科附属グローバルナーシングリサーチセンター
キーワード:
看護理工学
,
トランスレーショナルリサーチ
,
局所低周波振動刺激
Keyword:
看護理工学
,
トランスレーショナルリサーチ
,
局所低周波振動刺激
pp.685-690
発行日 2026年6月15日
Published Date 2026/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091505520600060685
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
褥瘡管理における課題と糖尿病併存のインパクト
1.国内外の褥瘡有病率とケア介入
超高齢社会の本邦において,褥瘡は患者のウェルビーイングを著しく損なうだけでなく,医療・介護現場に多大な負担を強いる重大な合併症である.第5回(2021年度)日本褥瘡学会実態調査委員会報告1)によれば,療養場所別の褥瘡有病率は,一般病院で2.37%,療養病床で1.93%,大学病院で1.70%,介護老人福祉施設で1.05%,在宅で1.26%と報告されている.一方,海外の入院患者における褥瘡有病率は約12.8%であり2),年間発生率は1,000人日あたり約12.6件ときわめて高い2).日本の褥瘡有病率が低値に維持されているのは,入念なポジショニングやスキンケアなどの多職種連携による予防ケアの成果と言える3).しかし,皮下組織を超えて重症化し,標準治療で治癒しない難治性褥瘡は,年単位で治癒に時間がかかり,常に感染リスクと隣り合わせであることから,患者・医療者双方の大きな負担となっており,積極的な介入による治癒促進戦略が求められている4).

Copyright © 2026, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.

