連載 臨床理学療法に活かす生理学・第3回
脳の可塑性と神経再編成のための神経生理学
上原 信太郎
1
Shintaro UEHARA
1
1藤田医科大学保健衛生学部リハビリテーション学科
キーワード:
神経可塑性
,
運動学習
,
記憶
Keyword:
神経可塑性
,
運動学習
,
記憶
pp.337-341
発行日 2026年3月15日
Published Date 2026/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091505520600030337
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はじめに
神経可塑性(neural plasticity)は,中枢神経系が環境や刺激に応じて機能的・形態的に変化し,その状態が一定期間維持される性質のことを指す.半世紀にわたる神経生理学的知見の積み重ねにより,神経可塑性は運動学習やその記憶の神経基盤であることが示されてきた.一方で,理学療法の目的は,障害を受けた身体機能を改善させるだけではなく,残存する身体機能を用いた新しい運動方略の獲得(運動学習)を促し,日常生活活動として汎化させ,それを定着させることにある.したがって,理学療法は神経可塑性を臨床的に引き出すための体系的介入とも言い換えることができ,理学療法を「神経可塑性をどのように引き出し,どのように望ましい方向に導いているのか」という生理学的観点から捉えることは,介入の科学的・理論的根拠を理解するうえで重要である.本稿では,神経可塑性の神経生理学的基礎を概観し,理学療法と親和性の高い運動学習との関係性について概説する.

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