Close-up 在宅酸素療法で拓くQOL
在宅酸素療法利用者の社会生活と心理的適応
工藤 有希
1
Yuki KUDO
1
1共立女子大学看護学部成人看護学
キーワード:
在宅酸素療法
,
社会生活
,
体験
Keyword:
在宅酸素療法
,
社会生活
,
体験
pp.316-319
発行日 2026年3月15日
Published Date 2026/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091505520600030316
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はじめに
在宅酸素療法(home oxygen therapy:HOT)は,1985年の社会保険適用以来,住み慣れた環境での療養を可能とする医療機器の一つとして定着し,2024年時点では19万人以上1)が利用している.HOTを導入する目的には,慢性呼吸不全をもつ人の生命予後の改善や低酸素血症の改善などとともにQOLの維持・向上があり2),社会生活に変化をもたらす.
実際に,HOTを利用することによって息切れが軽減され,社会生活が拡大したとする人もいれば,物理的・心理的な負担から行動範囲に制限をかける人も多く存在することが,これまでの多くの研究から明らかになっている.常に酸素機器とともにある日常生活は,その人のアイデンティティに影響して社会生活そのものを変容させるが,QOLの維持・向上につながっているとは一概には言えないと推察できる.
本稿では,HOTを利用しながら社会生活を営む人のインタビュー調査3)から,当事者の体験を三つの局面に整理して提示する.そのうえで,彼らが社会で生き続けていくなかで浮かび上がる障壁と希望について述べ,心理社会的視点に基づいた支援の必要性にも触れていく.

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