書評
—坂井 建雄,小林 靖,宇賀 貴紀(編)—「構造と機能がつながる神経解剖生理学」
森岡 周
1
1畿央大学
pp.1498
発行日 2025年12月15日
Published Date 2025/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091505520590121498
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私たちが日常的に行っている「見る」,「動かす」,「感じる」といった営みは,脳と神経の複雑なネットワークによって支えられている.その神秘に触れる手がかりとして,本書『構造と機能がつながる神経解剖生理学』は,リハビリテーション専門職やその学生にとって心強い存在となる.神経解剖学と神経生理学を統合的に学べる本書は,「脳の地図」と「脳の動き」を並行して理解できる独自の構成を有する.見開きの2ページで解剖と生理を対比して解説しており,知識が積み重なる感覚を味わえる.
目次が「である」調で記されている点も特徴的である.各項目が明確に示されており,学習の指針として有効である.リハビリテーション専門職にとって,神経障害のみならず解剖学や生理学といった幅広い基礎知識を習得し,統合的に理解することは不可欠である.複雑な情報が簡潔にまとめられている本書は,現場での実践にも直結し,学びの効率も高まるであろう.

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