連載 臨床実習サブノート 効果的かつ安全な起居動作へのアプローチ・第8回
脊椎椎体骨折
東 裕一
1
Yuichi AZUMA
1
1南越谷病院リハビリテーション科
pp.1373-1378
発行日 2025年11月15日
Published Date 2025/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091505520590111373
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脊椎椎体骨折後の治療の概要
骨粗鬆症性椎体骨折の治療について,葉1)は以下のように述べています.
骨粗鬆症に対しては薬物療法,ADL障害に対してはリハビリテーションを実施します.保存療法で問題となるのが,椎体圧潰,偽関節,神経症状の出現などです.
① 急性期臥床期:骨折以外による疼痛を緩和し,安静による廃用性の機能障害を予防します.骨折椎体への負荷を考慮した運動を行います.ADL指導としては寝返り動作が重要です.
② 急性期離床期:この時期の目的は,日常生活での活動性向上のため,骨折椎体への負荷を考慮した運動および動作を習得することです.ADL指導としては起き上がり,立ち上がり動作が重要となります.
③ 回復期(生活期):この時期の目的は,退院後の生活におけるQOLの維持・向上のために,骨折椎体の再骨折予防と同時に,身体機能向上,ADL能力向上を進めることが重要です.ADL指導としては,退院後の日常生活に向けた応用的な動作を考慮しなければなりません.

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