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はじめに
骨粗鬆症性脊柱障害に対する手術療法は,病態の基盤に骨粗鬆症が存在するために,術後合併症を生じやすい.とりわけ骨脆弱性に起因する術後の機械的合併症(メカニカル合併症)は,インプラントの脱転・破綻,隣接椎体骨折,アライメント悪化などを介して痛みと機能障害を増悪させ,結果として再手術を要することが少なくない.これらは患者のQOLを大きく低下させるのみならず,医療資源の観点からも重大な問題である.
一方で,サルベージ手術は初回手術と比較して,組織の癒着,解剖学的ランドマークの変化とそれに伴うアンカー確保の難しさ,骨質低下の進行,固定範囲延長に伴う侵襲増大など,手術条件が不利であることが多い.そのため,術式選択に迷う場面が多く,さらに手術介入のタイミングについても,神経症状の有無や進行速度,全身状態,感染の可能性,疼痛の程度,画像上の不安定性などにより症例ごとに異なっており,一定の見解はない.
近年,セメント注入型スクリューなど脆弱骨に対する固定強度を高める手段が普及しつつあり,また骨形成促進薬を含む薬物療法により骨代謝そのものを改善するアプローチも進歩している.しかし,これらの対策を講じても,骨脆弱性に起因する合併症が術後に生じ,再手術が必要となる症例は後を絶たない.サルベージ手術では,前回の手術が破綻した要因(前方支持不足,固定力不足,固定範囲,アライメント不良,隣接部の障害など)を適切に分析したうえで,患者の全身状態や併存疾患,活動性・生活背景などを総合的に評価し,介入すべき時期と最適な再建方法を決定する必要がある.
本稿では,サルベージ手術を要した自験例を提示し,破綻様式に応じた適応判断と手術介入のタイミング,ならびに再々手術を回避するための周術期戦略と工夫について概説する.

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