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特集 脊髄再生を用いない脊髄損傷治療の現実と到達点
脊髄損傷の急性期周術期管理・合併症対策—再生医療を用いない治療の現状
Acute Perioperative Management of Spinal Cord Injury and Measures for Complications
鈴木 晋介
1,2
Shinsuke SUZUKI
1,2
1仙台東脳神経外科病院脳神経外科
2国立病院機構仙台医療センター脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Sendai East Neurosurgical Hospital
キーワード:
急性期脊髄損傷
,
acute spinal injury
,
合併症対策
,
measures for complications
,
周術期管理
,
perioperative management
Keyword:
急性期脊髄損傷
,
acute spinal injury
,
合併症対策
,
measures for complications
,
周術期管理
,
perioperative management
pp.493-507
発行日 2025年8月25日
Published Date 2025/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091444120380080493
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はじめに
筆者は約30年間にわたり脊髄損傷例に対する急性期治療を行ってきた9〜11,14〜16,19).本稿では,その経験をもとに,再生医療5)を用いない脊髄損傷治療の周術期管理および合併症対策に関して述べる.脊髄損傷は病巣以下の臓器不全症状が出現することから全身疾患ともいえる.したがって,全身合併症への対応ができなければ急性期の管理はうまくできないといっても過言ではない.筆者は現在も臨床の現場におり,患者からいろいろと勉強させられることが多く,それを反省・修正し,対策や治療方法を新たにすることで,今でも筆者自身がバージョンアップしていると実感している.さらに,脊髄損傷は超早期に手術を行えばよいというわけではなく,手術のやりっぱなしは禁物である.合併症を予想し,早期症状を見逃さずに対応できれば,早期から積極的なリハビリテーションも可能になる.その意味で超早期手術は理にかなっているといえる.皆さんにはそれなりの覚悟をもって脊髄損傷の急性期治療に挑戦していただきたい.

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