書評
Facial Danger Zones日本語版(フェイシャルデンジャーゾーン)[Web動画付]—手術・注入療法・非侵襲機器療法を安全に行うために
山田 秀和
1
1近畿大学アンチエイジングセンター
pp.1137
発行日 2025年12月20日
Published Date 2025/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091434910970131137
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本書は,形成外科や美容医療,あるいは顔面外科に携わる医師にとって必携の一冊だ。原著はRod J. Rohrichらが編集し,日本語版は東京慈恵会医科大学の宮脇剛司主任教授と石田勝大教授の監訳により出版された。本書の出版により,日本の医療従事者にとって,より実践的で信頼できるリソースが提供されることになった。
原書は,1994年の発刊当時から顔面を扱う医師にとって待望の書籍だった。評者自身,海外の学会展示で初めて手に取ったときの喜びを今でも鮮明に記憶している。基礎的でありながら実践的な内容が詰まっており,「助かった」と直感的に感じた瞬間が思い出される。初版から30年経って,Facial Danger Zonesの最新情報を再定義してもらったことはありがたい。本書は,顔面の「危険領域」に焦点を当て,手術,フィラー注入,非侵襲デバイスの使用における安全確保のための具体的なアプローチを解説している。研修医にとっての基礎教材としてはもちろん,表在の顔面解剖を必要とする,幅広い診療科で活用できる内容である。

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