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耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域
8.口腔・咽頭・喉頭疾患
ベーチェット病
中村 晃一郎
1
1埼玉医科大学皮膚科
キーワード:
口腔内アフタ
,
結節性紅斑様皮疹
,
特殊型
,
ぶどう膜炎
Keyword:
口腔内アフタ
,
結節性紅斑様皮疹
,
特殊型
,
ぶどう膜炎
pp.120-123
発行日 2025年4月30日
Published Date 2025/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091434910970050120
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POINT
◆口腔内アフタはしばしば初発症状として生じ,経過中ほぼすべての患者に生じる重要な所見である。
◆口腔内アフタは舌,頬粘膜,歯肉に生じ,稀に咽頭や食道にも生じることがある。
◆皮膚症状には結節性紅斑様皮疹,毛囊炎様皮疹があり,早期より生じ再発を繰り返す。
◆ぶどう膜炎は虹彩毛様体炎,網脈絡膜炎があり,反復性眼発作は時に視力障害を生じる。
◆特殊型(腸管型,血管型,中枢神経型)は重症病型で時に生命予後を決定する。
◆臓器別の頻度では近年ぶどう膜炎の頻度が減少し,腸管型の頻度は本邦で増加している。
◆薬物療法としてコルヒチンが基本となり,グルココルチコイド,免疫抑制薬を投与し,重症例ではTNF阻害薬の導入が検討される場合が多い。
◆難治性の口腔内アフタにはPDE4阻害薬であるアプレミラスト内服があり,寛解導入,維持療法に使用される。
◆TNF阻害薬は,眼炎発作の回数を著明に減少し,腸管型での潰瘍の改善をもたらすなど,重症例や予後不良例の治療成績を顕著に向上させた。

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