特集 病態をつかめば治療が決まる 足部・足関節周囲腱障害
緒言
熊井 司
1
Tsukasa KUMAI
1
1早稲田大学スポーツ科学学術院
pp.313
発行日 2026年4月25日
Published Date 2026/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.055704330610040313
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
ヒトはその進化の過程で直立二足歩行という特殊な運動形態を獲得しました.より高い位置からの視覚情報を得ることができ,手が解放されたことでより緻密な動きが可能となり道具や武器を使うことができ,四足歩行に比べてエネルギー効率の高い運動となったことから長距離移動が可能となりました.このようにさまざまなメリットをもたらすようになりましたが,一方で地上を移動する際の「足」には,不安定な上体を支えつつも,たった24cmの足に全体重を受けて運動するという非常に大きな負担がかかることになりました.つまり,歩行や走行といったヒトの生存に必須の運動において,足部・足関節は地面に対する最終作用点として,常に地面と戦っているということになります.当然ながら足部・足関節には外傷による損傷が多くなり,硬組織である骨,軟骨,関節などの破壊も多くなります.骨形態を回復し,骨配列(アライメント)を整えることが必要となってきますが,その先にある関節の動きを復元し,下肢全体に剛性を与えるためには,足部・足関節に停止する筋腱,靱帯の働きが重要となってきます.しなやかな関節の動きとともに,安定性のある足部・足関節を形成するには,コーディネートされた筋腱の働きは不可欠だと思います.

Copyright © 2026, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.

