頚椎椎弓形成術後に脊髄神経後枝内側枝障害を呈した3例の特徴的な理学所見と超音波画像ならびに運動療法

Characteristic Physical Findings, Ultrasound Images, and Exercise Therapy in Three Cases of Spinal Nerve Posterior Rami Medial Branch Disorder After Cervical Laminoplasty

本稿では，頚椎後方術後に発生する軸性疼痛に対する評価方法を確立することを目的とし，同術を施行した3例に共通した理学所見と超音波画像診断所見を提示し，その解釈について述べた．理学所見では，脊髄神経後枝内側枝領域の感覚鈍麻や頚椎伸展筋力の低下などを認めた．超音波画像では，頚多裂筋と頚半棘筋間において神経に伴走する動静脈の血流シグナルを認めず，同部の柔軟性低下が疑われた．運動療法により，頚多裂筋と頚半棘筋間の動態改善を図り，症状は改善した．上記の所見は，術後に生じる軸性疼痛に対する実用的な評価方法になり得ると考える．