増大号特集 あなたの整形外科診療が変わる 差がつく画像診断技術—単純X線からAIまで
column
お金が変える,放射線科医の立場と能力
太田 智行
1
1国際医療福祉大学病院放射線医学
pp.441
発行日 2025年5月25日
Published Date 2025/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.055704330600050441
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『千葉大学医学部附属病院における画像診断体制の今後の改善に向けて 提言』1)にこうある.“……「放射線科」は画像診断を担当せず,放射線治療と核医学を担当するという体制が長く続いていた.各診療科に「画像グループ」が設けられ,……”.大学医局でさえも放射線科は画像診断を扱わなかったとあるように,日本では放射線科医の画像診断能力が軽んじられてきた歴史がある.
画像診断管理加算は,2002(平成14)年に,画像診断を専ら担当する常勤の医師(専ら画像診断を担当した経験を10年以上有するものに限る)が1名以上いることを条件に導入され,2006(平成18)年に日本医学放射線学会が認定する専門医も別途その条件に加えられた経緯がある.画像診断の進歩が目覚ましく,総合的にこれを管理する専門診療科が必要とされていたのは当然であったが,放射線科医にとっては,社会的立場を確立できたという側面が大きく,当時重鎮たちは手放しにこれを歓迎したであろう.
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