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編集後記
長浜 隆司
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1新東京病院消化器内科
pp.1199
発行日 2025年9月25日
Published Date 2025/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.053621800600091199
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上山らにより提唱された胃底腺型腺癌という新たな組織型の概念から15年が経過し,多くの症例が蓄積されるとともに,複雑かつ多彩な分化を示す病変にも遭遇するようになってきた.その結果,分類や診断において混乱を生じる場面も少なくない.こうした状況の中で,胃底腺への分化を伴う腫瘍の臨床像および病理組織学的特徴を整理し,内視鏡診断への応用,臨床的意義のある病理診断・分類の構築,さらには治療方針の確立を目的として,本特集を企画した.
序説は上堂が担当し,胃底腺型胃癌の提唱以来,胃底腺分化を伴う胃腫瘍に関しては,臨床病理学的なバリエーションについてさまざまな報告がなされてきたこと,発癌機序の研究は当然として,その多彩な分化像に対する新たな分類や意義の解明も求められており,依然として多くの課題が残されていることを述べている.

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