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Seishin Igaku Volume 67, Issue 12 （December 2025）

精神医学 67巻12号（2025年12月発行）

Japanese English

特集成人の知的発達症—精神医学の視点からできる支援

知的発達症をもつ人の統合失調症・気分症 Schizophrenia and Mood Disorders in People with Intellectual Developmental Disorders 藤平和吉 ¹ , 福田正人 ² Kazuyoshi Fujihira ¹ , Masato Fukuda ² ¹利根中央病院精神神経科 ²群馬大学 ¹Department of Psychiatry and Neurology, Tone Central Hospital, Gunma, Japan ²Gunma University キーワード：知的発達症 , intellectual developmental disorder , 統合失調症 , schizophrenia , 気分症 , mood disorders , 特徴 , clinical features , 対応 , clinical management Keyword: 知的発達症 , intellectual developmental disorder , 統合失調症 , schizophrenia , 気分症 , mood disorders , 特徴 , clinical features , 対応 , clinical management pp.1573-1579

発行日 2025年12月15日 Published Date 2025/12/15

DOI https://doi.org/10.11477/mf.048812810670121573

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抄録

　知的発達症をもつ人は，そうでない人と比べて統合失調症・気分症の有病率が高く（疫学），さらに合併した場合は行動症状に転換されやすく（症状），生物学的要因のみならず心理社会的要因の関与がより強い（病態・病因）。また再燃・寛解の様式に特徴があり（経過），自己覚知や心理的葛藤が少なく（病識），非生物学的視点からの支援の比重が大きい（治療）。対応の検討では，当事者の「ナラティブ」に関心を向け，「言語」での対応を諦めず，「認知発達段階」や「発達の最接近領域」を推定しながら，知的水準に配慮した「内言」を活用し，「多職種によるチームアプローチ」が有効である。知的発達症は学校教育現場でも再検討されており，精神医学からのさらなる理解の深まりが期待される。