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特集 周産期メンタルヘルスとレジリエンスの科学—予防と回復を支えるエビデンスと実践
社会的ハイリスク妊産婦を連携システムで支える
Collaborative System to Support Pregnant Women with Social Risk Factors
中塚 幹也
1,2
Mikiya Nakatsuka
1,2
1岡山大学学術研究院保健学域
2おかやま妊娠・出産サポートセンター
1Faculty of Health Sciences, Okayama University, Okayama, Japan
2Support Center for Pregnancy and Childbirth, Okayama Prefecture
キーワード:
社会的ハイリスク妊産婦
,
pregnant women with social risk factors
,
メンタルヘルス
,
mental health
,
多職種連携
,
multidisciplinary cooperation
,
岡山モデル
,
Okayama model
Keyword:
社会的ハイリスク妊産婦
,
pregnant women with social risk factors
,
メンタルヘルス
,
mental health
,
多職種連携
,
multidisciplinary cooperation
,
岡山モデル
,
Okayama model
pp.1331-1337
発行日 2025年10月15日
Published Date 2025/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.048812810670101331
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抄録
母親の自殺や心中,子どもへの虐待,また,死に直結しないまでも子育てに伴う種々の困難を回避するためには,妊産婦の社会的リスク因子を早期から把握することが必要である。岡山県では,産科医や助産師などの産科スタッフが「気になる」と感じた妊産婦を,少ない負担で早期に保健師へ連絡するシステムを構築している(岡山モデル)。
このシステムでの連絡例の解析からは,社会的ハイリスク妊産婦の中には,メンタルヘルスの課題を抱える例が高率に認められ,精神科・心療内科スタッフが支援体制に参入することが求められている。精神科・心療内科を含めた新たな体制づくりを進めるうえでも,大学などの教育機関や行政が,多職種での研修の機会をつくり,職種間の認識の溝を埋めていくことが必要である。

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