書評
—苦手な人もこれで安心!—4つのStepで考える てんかんの精神症状—兼本 浩祐 著
尾久 守侑
1
1慶大・精神・神経科学
pp.1179
発行日 2025年8月15日
Published Date 2025/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.048812810670081179
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てんかんという領域は精神医学に近接した領域というか,明らかにお隣の学問という感覚をもっている精神科医は多いと思うのだが,漂ってくる神経学っぽさと学生のときに勉強していまいちよくわからなかった記憶などから微妙に勉強することを回避されがちである。なにかのきっかけで勉強してみようと一念発起したとしても,最初に読み始める本は大抵オーソドックスな脳波の書籍であり,電極の付け方のページを読んだあたりで挫折し,まあいいかなということになってしまいがちである。
てんかんの症例が精神科医の眼前に現れるときというのは,精神症状の対処について問われることが多いため,仮に学術的に習熟しておらずとも,“お仕事”として使い慣れた向精神薬を主科である脳神経内科などに提案したりしているうちに事なきを得ることが多く,真正面から本気で勉強せずともなんとかなってしまう,みたいなことも関係しているのだと思う。

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